中高年の引きこもり問題

中高年の引きこもりが増える現状

中高年の引きこもりが社会問題となっていますが、全国にどれくらい存在するかご存知ですか?
内閣府が発表した数値は61.3万人ですが、引きこもりの支援を行うキャリアカウンセラーによると約100万人と推定しています。
10年程前には親が70代で引きこもりの子供が40代、いわゆる「4070問題」が注視されていましたが、現在はさらに高齢化した「5080問題」が深刻化しています。

引きこもりになる家庭環境は、子供が長期間引きこもっても養えるほどの経済力がある家庭が多いです。
特に、かつて大企業にて部長、課長クラスで働いていたという高齢世帯に多く、中高年の引きこもりと推定される扶養家族がいることがわかっています。

引きこもりがいる家庭の特徴は、男性が外で働いて稼ぎ、女性は家を守って子育てを行う、いわゆる「男性は仕事・女性は家庭」という考え方です。
「一生懸命働いて養っているのに、引きこもりになるなんて育て方が悪い」と夫は妻を責め立て、妻は「私が育て方を間違えた」と自責の念にかられてしまいます。
本来夫婦で解決するべき問題も、言葉に出してコミュニケーションをせず、夫婦関係が機能しないために悪化の一途を辿るのです。

日本社会の欠損が生みだす中高年の引きこもり

日本で引きこもりが増える原因は、日本特有の「同調圧力」の強さが起因していると考えられています。
同調圧力とは、人に同調することを良しとする風潮、つまり人と違うことを「悪」とする考え方です。

人と違う個性を認めることができない日本社会の欠損が、集団に馴染めない個性を持つ子供を生きづらくさせているのです。
結果として学校や職場に行かなくなり、引きこもりになってしまいます。
きっかけは人それぞれですが、もともと小中高のときに不登校をしていたケースが多いです。

もし引きこもってしまったら?

子供を引きこもりにしないためには、小さい頃から子供自身に考えさせる力を養うことが大切です。
親が「子供のため」と指図ばかりしていると、自分で考えることができない子供に育ってしまいます。

成人になってもし子供が引きこもりになってしまったら、自分だけで解決を図るよりも第三者に頼った方が賢明です。
例えば行政やNPOなど引きこもりをサポートする窓口がありますので相談してみましょう。
無理矢理引きずり出したり、暴力を使った解決をするような団体は怪しいので注意してください。
当事者から相談を受けるようなら、どんな仕事でもまず挑戦することを勧めてみましょう。

親としては正社員や安定した職業を希望しがちですが、引きこもりの子供のためにと焦るのはNGです。
他の子供と比較するのをやめ、子供の「個性」を認めてあげるところからはじめてみることが大切です。

TOP