待機児童問題

待機児童問題の現状

待機児童問題が社会問題となって久しいですが、現在もまだ待機児童が減らない現状が続いています。
ユーキャンの流行語大賞でトップ10に入った「保育園落ちた日本死ね」という言葉でも表されるように、働く母親にとって深刻な問題が今も解決されないままです。

待機児童とは、入所条件を満たしているのに空きがないために保育所へ申請しても入れない児童を意味しています。
子供を預けることができない母親は、自宅で子供を見なければいけないので仕事をしたくても社会復帰できなくなるという状況です。
2017年度の調査によると、待機児童数のワースト1位はダントツで東京8,466人、2位は沖縄の2,536人、3位は千葉の1,787人と続きます。
2位と大きく引き離して際立って多いのが東京都で、待機児童は都市部に集中していることが分かります。

実際には「隠れ待機児童」も存在していますので、国が把握できていない待機児童はもっと多いことになります。
隠れ待機児童とは、親が育児休暇を延長した、または求職活動を諦めた、あるいは希望していた保育所に入所できずにやむなく無認可保育園に入所した場合に、「待機」としてカウントされない待機児童のことです。
隠れ待機児童数のワースト1位は横浜市、2位は川崎市、3位は東京都港区となっており、やはり都市部周辺の地域に集中しています。

待機児童問題が解決しない原因

これほどまで待機児童・隠れ待機児童が増え続ける背景には、女性の社会進出が増えたことが関係しています。
さらに、都市部に児童が集中していること、核家族化、保育士不足も大きな原因です。

まず女性の社会進出ですが、働く女性が増えたために子供を預ける家庭が増え、結果として保育所が足りない状況に陥るというワケです。
核家族化でおじいちゃん、おばあちゃんにも預けることもできず、保育所を頼らざるを得ません。
しかも仕事が豊富な都市部に人は集中しますので、都市部での問題が大きくなってしまいます。

何より今は空前絶後の人手不足で保育士も足りていません。
資格はあっても労働環境や給与待遇が悪く保育士になりたがらない人が多いということも改善すべき問題点と言えます。

待機児童問題解決のための対策

最も良い対策は、保育所を増やして保育士が働きやすい環境を整えることに尽きます。
それでもなかなか待機児童問題が解決しないのは、やはり人材確保が困難ということが大きいと思います。
企業側としても人材確保のために事業所内保育所や子育て世帯のパパ、ママが働きやすい環境作りをするなどの取り組みが始まっています。
個人でできることとしては、在宅ワークを選択して家にいながら仕事をする、待機児童の少ない地域へ引っ越すなども1つの案です。

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