任天堂がカスハラにノー!
カスハラとは「カスタマーによるハラスメント」
カスハラとはカスタマーハラスメントの略で、一言でいうなら理不尽なクレーマーによる従業員へのハラスメント行為です。
日本では「お客様は神様」という考え方があり、客が少しぐらい理不尽な要求をしても店や企業の側はフレキシブルに対応することが求められてきました。
しかし理不尽なクレームは悪化し、モンスタークレーマーの増加によって、企業や店の側にとっても従業員を守るためのルール作りや対策が求められています。
近年では客とトラブルになった従業員が会社を訴えるケースもあるため、カスハラは従業員だけが対応しなければいけない問題ではなく、会社全体で取り組むべき課題となっています。
クレームとカスハラは別物であることを認識すべし
企業側も顧客側も理解しなければいけない点は、正当なクレームと理不尽なカスハラは、完全に別物として対応しなければいけないという点です。
顧客からのクレームや指摘を全てハラスメント行為とするのではなく、しっかり線引きをすることによって従業員にとっても働きやすい職場環境の整備につながります。
クレームとカスハラの線引きについては、厚生労働省のマニュアルの中でも区分されています。
カスタマー対応についてはデータや数字で明確に線引きできるわけではないため、企業ごとにケーススタディを行いながら従業員へ意識や認識を統一する必要はあるでしょう。
この作業は、イメージを大切だと考える企業にとっては、簡単なことではありません。
従業員に認識の統一ができていないと、正当なクレームに対しても真摯に対応できずSNSなどで炎上するかもしれません。
また悪質なカスハラへの対応を従業員へ押し付けることによって、従業員にとって働きづらい職場環境となるリスクもあるからです。
任天堂が行ったカスハラ対策
そんな中、任天堂では顧客からの理不尽なハラスメントから従業員を守るための対策を打ち出しました。
カスハラと認められた場合には、その顧客からの修理依頼を拒絶しますというルールを設定したのです。
任天堂によるカスハラ対策の本質は、顧客からの要求が不当だったり理不尽な場合、従業員はその要求を断っても良いという選択肢を与えたことを意味しています。
それを社内だけでなく社外にも知らせることによって、お客様はかならずしも神様とは限らないという立ち位置を明確にしたのではないでしょうか。
現在、多くの業界ではカスハラが横行しており、企業が明確なカスハラ対策をしないために従業員に大きな負担がかかっている企業も少なくありません。
任天堂の取り組みを参考にしながら、今後より多くの企業がカスハラ対策に臨むことが求められています。