クレームと苦情の違いとは?

似ているようで異なるクレームと苦情の違い

クレームと苦情というのは似たようなものだと考えている方がいるかもしれませんが、実は全然異なるものです。
この違いを理解していないとクレームを苦情だと勘違いしてしまい対応を間違えてしまう可能性があります。

そもそも英語ではクレームと苦情というのは異なる単語として扱われているのですが、日本にはクレームに相当する日本語がなかったため適切に訳されることはなくそのままクレームという言葉を使うことになりました。
この点がクレームと苦情の違いを明確にすることを妨げてしまう結果になったと考えられます。

本来の英単語としてのクレームの意味は正当な権利として当然要求できることであり、損害賠償や支払い要求などのことです。
一方、苦情に相当する英単語であるcomplainというのは、不平や愚痴、苦情といった意味となっています。
クレームと苦情についてはCS関連の書物によるとどちらも同義に扱っているケースもあれば、クレームは苦情の一部として扱っているものもあります。

本来、クレームというのは商品やサービスについて直接被害を受けた場合にできる請求行為のことです。
一方、苦情というのはその人の不満や不平といった感情的なものを相手に吐露することだと定義できるでしょう。
ただし、和製英語としてのクレームの意味はあやふやになっているため、意味の混同には気を付けるべきでしょう。

それぞれの企業やお店でクレームや苦情の意味の違いをきちんと理解しておき、どのような意味で使うのかを決めておくと良いでしょう。

クレームの意味が広がっている

元々、クレームというのは消費者が持っている正当な権利であり、消費者が不利益を被った場合に賠償を求めることができる権利のことです。
たとえば買った商品に欠陥が見つかった場合に返品したり、あるいは新しいものと交換してもらうことはクレームとなるでしょう。
その企業の商品に明らかに欠陥があるために怪我をしてしまった場合には損害賠償請求をすることがあるかもしれませんが、これもクレームとなります。

しかし、現在では何かを要求する行為をすべてクレームとされていることが多いです。
クレームというのは正当な権利であり、それ自体は別に悪いことではないのです。
最近は不当な要求をするような人が増えているために本来の意味でのクレームまで悪者扱いされることが多くなっています。

クレームというのは本来は消費者が持っている正当な権利であり、時にはそれを行使することも必要となるのです。
クレームを入れることができなければ、消費者が不当に搾取されてしまうケースもあるからです。

クレームには正しいものもあれば中には単なるいちゃもんもあります。
その違いを正確に理解しておくことが大切なのです。

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