暴力団をにおわす相手のクレームについて

暴力団組織の名前を出す悪質なクレーマーにどう対応するか

クレーマーの中には、暴力団との関係をほのめかしてくる人もいます。
実際に反社組織の人物かもしれませんし、ただ自分の要求を通すために暴力団との関係をにおわしているだけなのかもしれません。
いずれにしても、クレームに対応する時は1人で対応せず、複数で対応することが大切です。

何かに回答しなければならない場合にはあいまいな回答は避け、その時に答えられないのであれば日を改めて回答する旨を伝えます。
明らかに無理なことに関しては、最初からはっきりと断ります。
書類の作成や書類に署名するように言われても、むやみに応じないようにすることも大切です。
会話は正確に記録するか、録音しておきましょう。
とにかく焦らないで、常に冷静に対応し、挑発されてもそれに乗らないようにするのが大事です。

金品を要求するなどの違法行為があった場合は、警察と連携して対応するようにします。
また、暴力団をほのめかすような悪質なクレーマーは、弁護士に対応を依頼することもできます。
弁護士は警察に被害届を出すべきかを的確に判断できます。
また、代理人としてクレーマーと交渉してもらうこともできます。

暴力団を騙ると脅迫罪になるのか

自分は暴力団員だ、やくざだというだけでは、脅迫罪は成立しません。
脅迫罪は暴力団を騙るかどうかではなく、人の身体や生命、名誉などに危害を加えるようなことを言う場合に成立します。

もし自分は暴力団員だという人が、危害を加えるという趣旨のことも言うなら脅迫罪になります。
たとえば、「殺してやる」とか「おまえの子どもを殺す」のように命を脅かすようなことを言う場合です。
また、「殴るぞ」など身体に危害を加えるという言葉を発する場合も同様です。

その他には、「監禁してやる」などの自由を奪うと脅すことば、「家に火をつけるぞ」といった財産を損なうという脅し、「不倫していることを言いふらすぞ」のような名誉に対する害悪を告知するような言葉も該当します。
ただし、「一生恨んでやる」といった抽象的なことばや「地獄へ落としてやる」という実現不可能な言葉は、非常に恐れを感じさせるとはいえ、脅迫罪には当たりません。

また、暴力団員であることをほのめかしただけで、脅迫罪が成立する状況もあります。
たとえば、怒鳴り合いの喧嘩の最中に自分はやくざだと言った場合、危害を加えることを示唆しているということで脅迫罪に問われることがあります。
実際に、コンビニの駐車場でトラブルになった相手に対して「俺はやくざだ」と怒鳴ったことで脅迫罪の疑いで逮捕されたケースがあります。
また、凶器を見せたり集団の威力を示して脅したりすると、脅迫罪よりも重い処罰である暴力行為等処罰に関する法律違反が適用されることがあります。

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