上司を出せと言われたら

クレーマーとの話し合いで上司を出せと言われたら

クレーマーとの話し合いの中でほぼテンプレートになっているのが「上司を出せ」という要求です。
その製品やサービスそのものについて何らかの不満や意見があって行う場合であれば、その問題が解決することができれば誰が対応していても問題はないはずですが、そもそも悪質なクレーマーはクレームをつけること自体が目的なので、問題を拡大させるためにより上役と話をしたがります。

会話の流れとして出てきやすいのが「上司を出せ」の他「社長を呼んでこい」「お前じゃ話にならないから責任者と話をさせろ」といったことです。

ちなみにクレーマーが行う5大表現は「上司を出せ」「謝れ」「誠意を見せろ」「納得できない」「今すぐ答えろ」ということだそうです。

これらに共通しているのは、クレーマーを行う人の心理として「お客様は店員よりも偉いのだから自分を尊重していて当然。不愉快な気分を晴らすのは店側の責任だ」という意識があるということです。

「上司を出せ」というのも、自分という偉い存在と対応に話をするのはより立場が上の人間でなければいけないという気持ちからくるものなので、そこで安易に言われるままに上司を呼んでしまうことは相手を増長させることになってしまいます。

接客に慣れていない人やクレーム処理の経験が浅い人などは、その場を諌めるためにとりあえず相手の要求を聞いておけばいいというふうに考えることがありますが、そもそもとして悪質なクレーマーは何か目的があって来ているわけではありません。

最終的に騒ぎや自分への謝罪・金品による慰謝が大きくなることでより高い満足を得ることになりますので、最初にあっさり要求を飲んでしまうと「もっと言うことを聞かせられる」という成功体験を与えてしまうことになります。

上司を挟む場合のダメな対応例、よい対応例

では実際に「上司を呼べ」と言われたときにどうすればよいか考えてみましょう。
まず最も良くないのが「わかりました」とばかりにすぐに上司を呼んで来てもらうという方法です。

理由は前述した通りですが、ただし対応しているのが若い女性など相手からつけこまれやすい立場であったり相手から既にセクハラや暴言などの脅迫を受けている場合は相手から呼ばれていなくても先に上司を呼んだ方がよいケースとなります。

また「現在上司は不在(多忙など)のため対応できません」と言った断り方をしてしまうと、むしろ相手の怒りをかってしまいますので出せない理由を明確にする必要があります。

よい対応例としては、どういった要望があって上司に話をしたいかということを聞き、あくまでも製品やサービスについての話し合いであるという一線を越えないようにするということが挙げられます。

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