介護施設でのクレーム対応 その2

介護施設にはモンスタークレーマーが多い?

介護施設は、とかくモンスタークレーマーが生まれやすい場所の一つとして知られています。
利用者や家族から特別な要求を求められたり、理不尽なリクエストを受けるなど、モンスタークレーマーの実態はメディアでも取り上げられることが少なくありません。
ただし、施設へのリクエストをする利用者や家族がすべてモンスタークレーマーというわけではありません。
その線引きが難しい点が、介護施設にモンスタークレーマーが生まれやすい理由と言えます。

モンスタークレーマーの中には、リクエストの内容そのものが理不尽なケースが少なくありません。
例えば、食後には利用者が好きなデザートを必ずつけろと要求してくるなど、特定の食品メーカーや特定の食品を提供するようにというリクエストは多くあります。
また、リクエストの内容は対応可能な場合でも、何度もしつこく電話をしてきたり訪問して職員を罵倒するなど、リクエストの仕方がモンスターなケースもあります。
責任者を出せと言ったり、長時間居座ってなかなか帰らないなど嫌がらせ的な行為もモンスタークレーマーに分類できます。

モンスタークレーマーへはどのように対処するべき?

モンスタークレーマーへの対処法はいくつかあります。
介護施設側が適切に対応してもモンスターを壊滅することはできませんが、正しく対応することによってモンスタークレーマーを減らすことは可能です。

1つ目の対処方法は、クレームの内容に対して事実確認を行うという点です。
感情的になっている利用者及び家族だけの話をうのみにするのではなく、職員からも事実確認をした上で適切な対応が求められます。

2つ目は、クレーム内容を細分化して、施設側に非がある部分を抽出するという点です。
例えば利用者が転んで骨折したとか頭を打った場合には、施設側が病院へ連れていく義務があります。
しかし、かかる治療費を誰が負担するのか、またその施設は24時間体制での介護を提供するのかと言った線引きによって法的な義務は変わります。

3つ目は、理不尽なモンスタークレーマーに対しては施設側から法的措置をとる必要があるかもしれないため、録音するという対応方法があります。
弁護士に相談したり裁判になった場合、録音をとっていると証拠として使うことができます。

困ったら弁護士に相談しよう

利用者や家族からのクレームは、正当な場合もあれば理不尽な場合もあります。
介護施設側で対応しきれない場合には、弁護士に相談して法的な措置をとることも検討した方が良いでしょう。

弁護士に相談すると、具体的にどのように対応すべきか、どんな証拠が必要かと言った具体的な部分までアドバイスをもらうことができます。
それが施設にとっても、そこで働く職員にとっても大きな安心感となるのではないでしょうか。

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