二次クレームを発生させない初期対応のポイント
傾聴と共感による感情の沈静化
クレーム対応の初期段階において、最も避けるべき致命的なミスは、相手の言葉を遮って言い訳をしたり、早急な解決策を提示しようとしたりすることです。
激しい怒りを持って連絡をしてくる客は、問題そのものの解決はもちろんのこと、それ以上に自分の不快な思いや不利益を理解してほしい、共感してほしいという強い感情的な欲求を抱えています。
その言葉を遮ることは、相手の存在そのものを否定するような印象を与え、火に油を注ぐ結果となって二次的な怒りを買う最大の要因となります。
まずは相槌を打ちながら、相手の話を最後まで真摯に聴き切ることに徹しましょう。
途中で明らかに相手の誤解があると感じたとしても、まずは全ての不満を出し切ってもらうことで、相手の中に溜まった感情のピークを下げることができます。
このカタルシス効果によって冷静さを取り戻してもらうことが、建設的な話し合いへの第一歩となります。
聴く姿勢そのものが、誠意としてのメッセージとして相手に伝わるため、表情や声のトーンに配慮する必要があります。
事実確認の徹底と安易な約束の回避
その場の険悪な雰囲気を早く収めたい、相手の怒りから逃れたいという一心で、正確な確認もせずに「すぐに返金します」や「明日までに修理します」といった安易な約束をしてしまうことは非常に危険です。
後から内部で確認した結果「やはり対応できません」と報告を入れ直すことは、最初から冷静に断るより、何倍も相手の怒りを増幅させます。
初期対応において重要なのは、何について不快な思いをさせたのかという事実関係のみを正確に把握し、安易な解決の約束を口にしないことです。
調査に時間が必要な場合は、なぜ時間が必要なのかという正当な理由を伝え、いつまでに回答をするのかという明確な期限を提示しましょう。
不確かな情報でその場をしのぐのではなく、確実な情報を丁寧に積み重ねる姿勢こそが、解決への最短距離となります。
プロフェッショナルな冷静さの維持
相手がどれほど感情的で、時には理不尽な言葉を投げかけてきたとしても、対応する側がその熱量に巻き込まれて感情をあらわにしてはいけません。
声のトーンを意識的に落とし、ゆっくりと丁寧な言葉遣いを維持し続けることで、荒れ狂う場をコントロールするための主導権をこちら側が握り続けることができます。
相手の怒りに引きずられて言葉を荒らげたり、逆に極端に卑屈になって謝り続けたりすると、本来解決すべき論点がずれてしまい、事態はさらに複雑化します。
相手が攻撃している対象は、自分という個人ではなく、提供されたサービスや不備のあった商品に対する不満であると、客観的に捉えることが、冷静さを保つためのコツです。
私情を挟まず、落ち着いた対応を一貫して貫くことで、相手も次第に自分の言動を客観視できるようになります。
冷静な対応は、自分自身を守ると同時に、相手の尊厳をも守ることになるのです。
